狭心症

狭心症は心臓の中でも頻度が高い病気です。狭心症は心臓の血管が何らかの原因で狭くなり、血流が阻害されることによって起こる一時的な心筋の虚血症状です。

■主な原因は動脈硬化

心臓は冠動脈という血管によて栄養を送られています。その冠動脈が狭くなる主な原因は動脈硬化です。

動脈硬化を起こした血管はアテロームと呼ばれる死亡組織を形成し、血管の内腔に堆積していきます。このアテロームによって血流が悪くなります。また、アテロームの自然破裂によって血栓（血液の塊）が形成されることがあり、さらに血流が悪くなることがあります。

冠動脈の血流が悪くなると、心臓の筋肉に酸素の供給が不足し、胸の痛みや圧迫感を生じます。この変化が数分から数十分続く一時的な状態が狭心症です。

同じく冠動脈の病気である心筋梗塞は、血栓によって完全に血流が途絶え、心筋が壊死してしまう状態です。

■労作性狭心症と安静時狭心症

心臓は、運動などの労作時には安静時に比べてより多くの酸素を必要とします。動脈硬化によって狭くなった冠動脈が労作時の負荷によってさらに虚血となります。この労作によって起こる狭心症を労作性狭心症と呼びます。

動脈硬化の進行により冠動脈がますます狭まってくると、安静時にも胸の痛みや圧迫感が生じます。これを安静時狭心症といいます。冠動脈の攣縮が関与する場合もあります。冠攣縮は睡眠中の特に明け方に起こりやすいのが特徴です。詳しい原因は不明ですが、自律神経や神経伝達物質の関与があるとされています。

■代表的な症状は胸痛

狭心症では心臓が一時的に虚血となることから、胸全体が締め付けられるような痛みが生じます。

虚血の程度によって症状の強さも様々ですが、胸の詰まる感じや締め付けられるような感じ、なんとなくある違和感など、初めは痛みとして自覚しない場合もあります。

■重症化すると

狭心症が重症化すると、労作に関係なく胸痛発作が頻回に起きたり、発作の時間が長くなったりし、やがて心筋梗塞に移行する不安定狭心症の状態になります。

■痛みに気づかないことも

糖尿病があると痛みを感じにくく、狭心症による胸痛も気づかなかったり、軽く感じてしまうこともあります。病気が進行し、強い症状によって初めて気づく場合もあるため注意が必要です。

◆請求のポイント

手術などの治療を行ったのにも関わらず、経過が思わしくなく退院後も安静が必要な場合や動悸や息切れ、胸痛などの症状のため安静にしていなければならないという状態であれば、障害年金の対象となる可能性があります。請求を検討しましょう。

心機能の低下により日常的に眩暈や息切れを起こしている場合は、労働にも著しい制限が必要になるため、障害年金の支給対象になる可能性があります。専門家に相談してください。