緑内障

■見える範囲がだんだん狭まる病気

緑内障とは、視神経がダメージを受け、少しずつ見える範囲（視野）が狭くなる病気で、我が国における三大中途失明原因の一つです。

大半の原発緑内障（他の病気に随伴して起こる続発緑内障でないもの）の初期は、自覚症状がないものがほとんどです。「原発」とは、「要因となるほかの病気がない状態」という意味です。稀に見られる急性緑内障発作（急激に眼圧が上昇すし眼の痛み、頭痛、吐き気などに襲われ急速に視野が悪化し、眼前手動弁、指数弁程度しか得られなくなることもある）以外は、病気の進行度も遅く、視野も徐々に狭くなっていくことが多いので、気づいたときにはかなり緑内障が進んでいることもしばしばです。

調査では40歳以上の日本人の約５％（20人に1人）が緑内障です。しかも、その緑内障の人のうち、既に緑内障と診断されていたのは全体の1割に過ぎませんた。それほど、緑内障であることは気づきにくいということです。

■自覚症状

○見える範囲、視野そのものが狭くなってきた

○視野の中に、見えない場所（暗点）が出てきた

○急に眼痛・充血・目のかすみが生じる

○頭痛・吐き気がある（急性緑内障発作）

緑内障の自覚症状としては、ここに挙げた上普達視野が狭くなったり、暗転が生じる）が最も一般的です。

■眼圧とは房水の圧力のこと

緑内障は視神経がダメージを受ける病気だと述べましたが、この視神経へのダメージは、眼圧が上がることで生じると言われています。ですから実際、緑内障の治療には眼圧を下げることが有効です。

眼圧とは、眼球の中を流れる「房水」の圧力のことです。「房水」は毛様体で作られ、後防、虹彩の裏を通って前房に向かいます。その後、繊維柱帯を通過してシュレム管から排出され、眼の外の血管へ流れる主経路と、ぶどう膜強膜流出経路と呼ばれる排出の副経路があります。

この防水の圧力によって眼球に張りが高じて硬くなることで、視神経がダメージを受けやすくなるのです。

◆診断書の注意点

１）視野の測定は、ゴールドマン視野計及び自動視野計またはこれらに準ずるものによる。

２）ゴールドマン視野計による場合、中心視野についてはⅠ/2の視標を用い、周辺視野についてはⅠ/4の視標を用いる。